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KiKのズンダレ巴里日記
パリからあなたにお届けする、とっておきのくだらない話
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夢でござる~
ハイ、タイトルを見てお分かりのように、「柳生一族の陰謀」を見てきました。それも半日有給を取って。いいじゃない、有給が貯まってるんだから。東映のオールスターキャスト時代劇がパリで見れる機会なんて、滅多にないことだしね。

改めて見ると、萬屋錦之介さんの芝居がいかに浮いているかが分かります。でも、そんなことはどうでもよくって、むしろ、今やコントでも使われなくなったその大仰な台詞回しをタップリ楽しみました。これはもう芸術の域に達してます。
萬屋さんといえば、KiK は子供の頃の夏休みの朝に再放送されていた「子連れ狼」の拝一刀のイメージが強くて、この映画のようなチョンマゲに裃といういでたちは新鮮でした。

山田五十鈴さんも出てます。崇源院の役ですが、数年前の大河ドラマで上野樹里ちゃんが同じ役をやったのかと思うと、不思議です。ラスト近くでの絶叫は、さすが昭和の大女優、貫禄あります。この人と三船敏郎さんが同じ画面に写っているのを見るだけで何だか得した気分。三船さんは役も芝居も割と地味で、普段の「三船だ!」という感じが薄かったのですが、クレジットではしっかりトメでした。

オヤジ俳優好きのKiKにはたまらなかったのが芦田伸介さんと夏八木勲さん。夏八木さんはあまりチョンマゲが似合わないのが残念。怪しい公家役の成田三樹夫さんも最高にイカしてました。

ストーリーは荒唐無稽でいちいち突っ込んでいたらキリがないのですが、そこは深作監督なりのエンターテイメント精神と割り切って。ただ、日本の歴史を知らないフランスのお客さんがこの話を鵜呑みにするのではないかとちょっと心配になります。家光の最期とか特に、ねぇ...
クローネンバーグの新作
今日はカナリア諸島の話題をちょっと離れて、先日見に行ったクローネンバーグの新作映画について書きたいと思います。

Maps to the stars というタイトルで、日本語で副題を付けるなら、さしずめ「ハリウッド残酷物語」ってところでしょうか。

落ち目の2世女優、ドラッグ漬けの子役スター、脚本家兼俳優志望の運転手といった人物が、欲望や嫉妬の渦巻くハリウッドを舞台に繰り広げる人間模様です。

クローネンバーグの映画なので、見ていてハッピーにはなれません。思いっきり気が滅入ります。でも、演出はさすがの腕前で、この監督さんが得意なブラックユーモアも堪能できます。バックステージや芸能界の裏事情ものが好きな人なら楽しめること間違いなし!

KiK 的にこの映画の一番の見どころは、ジュリアン・ムーアの怪演ですね。中でも、便座に座って用を足しながらオナラ(それもかなりデカイやつ)を連発し、最後に尻を拭いてパンツをあげるまでを描いたシーンは白眉。文字通りの体当り演技で、彼女はカンヌ映画祭の女優賞を獲得しました。

この映画を一緒に見に行った友人とは、放屁する度に「ジュリアン・ムーアしちゃったァ」とか、「ジュリアン・ムーアがいるの?」としばらくの間ネタになりました。
モリエールの「タルチュフ」は演出も内容もモダンです!
昨日は久しぶりに古典演劇を見てきました。モリエールの「タルチュフ」です。場所はオデオン座、といってもパリ中心部にある由緒あるあの劇場ではなく、その姉妹版として17区のベルチエ大通りに開設された、わりと新しい劇場です。以前はオペラ座の舞台装置を保管する倉庫だったようで、外見も中の入口部分も、どこか殺伐としています。




演出はリュック・ボンディ。このひとが3年くらい前に演出したマリヴォーの芝居、すごく見たかったのに、気が付いたらもう席がなくなっていて、悔しい思いをしました。なので今回はリベンジです。

あと、出演者もKiK的には超豪華!まずはクロチルド・エスム。この女優さん、こんなに綺麗で芝居もうまいのに、何故かあまり人気がありません。非の打ちどころがないから?もっとブレイクして欲しいです。
それから、これまたKiKの好きなミシャ・レスコー。モヤシのようにひょろ長いシルエット、決して男前ではないけれど、独特のコメディーセンスで一度見たら忘れられない役者さんです。

古典劇はやっぱり台詞が難しく、細かいところは良く分からなかったKiKですが(予習しとけばよかった...)、約2時間全く退屈せずに見ることができたのは、巧みな演出、役者たちの絶妙の演技に加え、耳に心地よいモリエールのテクストのおかげでしょう。韻を踏んだり、アレクサンドランと呼ばれるリズミカルかつ流麗な一連の台詞...

モリエールの多くの作品がそうであるように、「タルチュフ」も現代に通じる部分が多くあります。一家の大黒柱オルゴンにうまく取り入り、彼の家庭に居着いて一家の財産や妻を手に入れようとする偽善者タルチュフの話は、あの尼崎で起きた恐ろしい事件を思い出さずにはいられません。

ちなみに、舞台のセットはこんな感じ。


メゾネットふうの大掛かりなセットです。高い天井を思いっきり有効に使ってますね。さすが国の援助を受けている劇場ですな~。 コメディーフランセーズもそうですが、凝った舞台装置や衣装も、この手の劇場で上演される芝居の楽しみの一つ。
自分の払っている税金のほんの一部がこの舞台に使われているのかと思うと、ちょっと嬉しいかも?


おかしな夫婦のドタバタ喜劇
今日は久し振りに芝居ネタです。
昨日サンジョルジュ劇場で Meme pas vrai ! という舞台を見に行きました。とりあえずポスターはこんな感じ。


何だか爽やか~なロマンチックコメディみたいな感じですが、実は大違い。
なぜこの舞台を見に行ったのかというと、まず演出家がKiKの好きなジャン=リュック・ルヴォル。この人はたまに俳優としても舞台に上がっていて、KiKは以前、この人がドニ・アルカンジェロという役者とコンビを組んでのコミックショーを見たことがあります。オヤジギャグ風ダジャレ連発、下ネタ満載で、とにかく笑わせてもらいました。

もうひとつの理由は、主演女優のラファエリーヌ・グピヨー。KiKはこの女優さんを「フランス版YOU」と勝手に呼んでます。独特の声や、卓越したコメディエンヌぶりが...被ります。

ストーリーを簡単に説明しましょう。いつもお互いに冗談やホラ話ばかり、時にはエスカレートして毒舌を飛ばし合ったりもする変な夫婦。でも、それは本当のことをなかなか素直に言えず、つい誤魔化したりはぐらかしたりする、彼らなりのコミュニケーション。しかし、夫が重大な秘密を隠していたことを妻が知り、息子や友人たちを巻き込んで一騒動起こす、というもの。

丁々発止の会話が何よりも秀逸で、いくら素直じゃないからってそこまでひねくれたこと言わなくても、と思うくらいでしたが、そこがまた笑える。

タイトルを日本語にすると「嘘八百!」という感じでしょうか。YOUさん主演で日本語版、誰かやってくれないかな~?

芝居漬けの日々
木曜の夜に続いて、昨日もまたお芝居を見に行きました。今回は Le pere (父) という作品です。

実はこのお芝居、昨年既に見たのですが、例の友人がどうしても見たいっ!招待するから!と言うので、ホイホイとお言葉に甘えました。何しろこの舞台、KiK が今まで見たものの中でも最も好きな作品の一つなので...



主演のロベール・イルシュは、フランスの演劇界では超がつくほどの名優。もうかなりのお年(今年89歳になるそうです)なので、「もしかしたらこれが最後かも...」と思いながら、この人の出る芝居はなるべく見に行くようにしているのですが、そう思いつつもう5、6年ぐらい経っているのが、何だかヘンな感じですけど。

今回もまた彼の演技に圧倒されました。話の筋も結末もわかっているのに、見ているこちらの緊張感は初回と変わらず、上演終了後にその緊張が一気に溶けて、欠伸を連発してしまったほど。特にラストシーンの彼の叫びには、文字通り胸が引き裂かれるような思いでした。

ほかの出演者たちも、演出も一級品なのですが、やっぱりイルシュの演技がこのお芝居の最大の見所ではないでしょうか。こうした名優の演技をナマで見れる機会があって本当に良かった、とシミジミ思うKiK でした。
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